世界線終点

形而上学や行為に関する(主に哲学的な)文献の読書ログ

2018-01-01から1年間の記事一覧

【要約】Wilson, J. (2009). Resemblance-Based Resources for Reductive Singularism

0. 導入 ヒュームの議論が今日でも影響力が高いとされるのは、二つの、伝統的にヒュームに結び付けられるテーゼが広く受け入れられているからだ。一つは、原因の効力が現実の還元不可能な特徴であることを否定する経験主義の立場、もう一つは、因果的還元主…

【要約】Raven, M. 2015 "Ground." Philospophy Compass

基礎づけ概念は二つのアプローチから同時に要請される。一つは様々な「なんのおかげで」という形式の疑問の共通点として、もう一つはある現象が他のより基礎的な現象から構築されるのはどのようにしてかということを説明するための「構築関係」としてだ。 2.…

【SEP要約】Causation and Manipulability

// // 因果性の操作主義的な説明についてのSEPエントリーを要約する。 Causation and Manipulability (Stanford Encyclopedia of Philosophy) 著者はJames Woodward、記述は2016年版による。 1.Introduction 因果性には様々な定義の仕方がある。因果性の一…